5H_懐中電灯の常夜灯化

26.03.06


100円均一店で、単1電池2本使用の、LED3個を使った上図の懐中電灯を売っている。手に入れて眺めていたら、これを通常は常夜灯として使い、非常用には懐中電灯として使えれば、非常用としてストックしておいた日付の切れた電池が有効利用できるかと考察しました。
結論を先に記せば、スイッチと平行に抵抗を入れて、常夜灯として使えます。

このページの内容は
0J_LED用 IC 1.5V 実験
0K_LED用 IC 3.0V 実験
と1部分重複します。

実験の様子

実験用のボード、テスター、可変電源などが必要です。

実験・その1・SC6202

冒頭の懐中電灯の回路です。標準的な回路です。
しかし、コイルが10uHで大食いです。
TO-92型の小さなIC、コイルの2点で、回路が完成します。
コイルを変更すると、流れる電流値が変わります。
規格:不明。部品を取り出してテスト。
負荷LED3個。電流値合計。
出力・mAが--の項目は負荷なしの値、解放です。

コイル 10uH 入力・V 入力・mA 出力・mA
3.037062.9
2.528542.2
2.026734.2
1.522424.4
購入時の状態の性能。単一2本3V。LED3個。
コイル 47uH 入力・V 入力・mA 出力・mA
3.015173.1
2.59946.0
2.09238.6
3.0147--
コイルのみ変更。
コイル 100uH 入力・V 入力・mA 出力・mA
3.08356.8
2.54128.9
3.072--

コイルのみ変更。
無負荷電流を食いすぎるので、使わないことにする。

実験・その2・CL0118B

手元の別のIC、CL0118Bで実験です。
出力電圧は、脈流のためテスターで測定できませんでした。1.2V位。
規格:1.8V~3.0V。47uH。
負荷LED3個。電流値合計。
R1:100Ω。R2、R3,R4:4.7Ω。COIL:100uH P型。
出力・mAが--の項目は負荷なしの値、解放です。


コイル 100uH 入力・V1:V 入力・A1:mA 出力・A2:mA
3.2516596.3
3.0014782.6
2.7512166.9
2.509953.1
2.256635.5
2.003920.6
1.75199.6
1.50125.0
3.009.3--
懐中電灯。  SW1を接、R1:100Ωショート。
コイル 100uH 入力・V1:V 入力・A1:mA 出力・A2:mA
3.2518.63.2
3.0016.82.5
2.7514.61.8
2.5013.01.1
2.2511.00.6
2.009.90.2
常夜灯。  R1:100Ωを使用。SW1解放。

懐中電灯の加工


レンズ部分の枠から反射鏡の部分を左に回して取り出します。
電池のプラス側が当たるところのカバーの下に、マイナスドラーバーを差し込み、こじりると外れます。


後は、図のように分かれます。基版部分の線を外します。 基板からICとコイルを外します。


画像左端:
LEDが接続されている箇所を分離すべく、銅箔のパターンにカーターナイフで溝を作り、切り分けます。
画像中央:
IC:CL0118Bとコイル:100uHを同じ箇所に差し込み半田します。 上:新、下:旧。
画像右端:
ICのLXとコイルを接続し、LEDのプラス側に抵抗4.7Ωをとうして電力が送られるように配線します。 上:新、下:旧。

スイッチ部の赤い樹脂の手前にマイナスドライバーを差し込み、丁寧にこじり、外します。黒いスライド部分も外れます。


スイッチの金具を壊さないように注意して、抵抗のリード線を金属の下側に差し込み、カバーにぶつからないように先端を処理します。

電池を入れて組み立てます。抵抗器の両端にテスターを当てます。表示は、2Vレンジで1.456を示しています。電流は、14.5mAとなります。 データでは、電池電圧が、3.0Vの時に、16.8mAとなっています。微妙な電圧変化で数値が変わりますので、誤差の範囲としましょう。
スイッチの樹脂カバーなどを元道理にして完成です。 スイッチをスライドさせると、全灯状態になります。
常時点灯で常夜灯、非常時には懐中電灯の完成です。 何時間くらい使えるかは、正確ではありませんが、1か月以上連続点灯するでしょう。 電圧が下がると電流も下がるので、もう少し長時間実用になりそうです。 実験のため、天井近くから吊り下げましたが、明る過ぎるようで、まぶしいです。抵抗値をもっと大きくしてもよさそうです。