0B_TL499A・回路の効率を考察

白色LEDを効率良く点灯させるドライバー用のICのデータは、 巷にあふれています。
最近発表された最大効率の物は、2.8Vから5.5Vまで使えて87% なんて物もあります。しかしながら、入手となるとまずは不可能です。

そこで昔からあるTL499Aを使って実験です。 メーカー発表では、効率55%です。

スイッチング・レギュレータ回路とデータ

回路は標準的なものです。右は、実験中の実物。
入力は、可変電源です。電圧と電流はディジタル表示です(Vin,VmA)。
出力回路の出口に抵抗1Ωを挿入し、 両端の電圧をディジタルテスターで測定します(LmA)。
直列につながった白色LEDの両端の電圧も測定します(Lvolt)。
コイルは100μh、基準電圧抵抗68Ω、電流制限抵抗560Ω。
負荷の白色LEDの数は、表の上から下へ1個から6個まで変ります。
効率=出力/入力、% = Lvolt x LmA / Vin x VmA







電池4本6V
終止電圧を3.6Vとすれば、 別の定電流回路を使った方が効率が良いのか?
電池3本4.5V
この時は、終止電圧を2.7Vにすべきか、悩みます。
電池2本3V
効率の問題の前に、点灯させるにはこの回路を使うしか、 選択の余地がありません。

次は、LEDを2個にして、電流制限抵抗(R1)を変化させたデータです。 560Ω、1KΩ、1.5KΩ。
制限抵抗を大きくすると、低電圧ではドライブ能力が低下します。 所要の電流を得られません。
単三2本3Vなら、どれを選ぶか迷います。




定電流方式との比較

上は、FETとトランジスタを使った定電流方式の回路図です。 LEDは4個で合計100mAです。

左は、その外観です。10ΦのLEDです。

下は、この定電流方式のデータです。
いくら効率が良いと言っても、3.4V以下では所要の光度は得られません。

下は、TL499を使った回路のデータです
LED4個を直列につないでいます。設定電流は25mAです。
電池を最後まで使いきるには最適かもしれません。



おまけのデータ・LED8個

LED4個を2回路、計8個、つないでのデータです。 電流制限抵抗のみを変更しています。 設定電流は50mAです。さすがに、少し実用には無理のようです。



LEDを直列につないで使う方法は、 LEDの各個の電流のばらつきを考慮する必要がないので設計が楽です。 もう少し点灯効率が良いICが、簡単に手に入るといいのですが。