1D_100円の単一電池3本の懐中電灯を改造する

100円で売っている単一電池3本・電球使用の懐中電灯を、白色LED化し、 非常用の長時間点灯と、懐中電灯としての実用とを、 スイッチで切替えて使えるように考察した。
長時間用にはLEDを一個点灯する。
実用としては、LEDを9個又は13個を点灯する。 電球式の様に広範囲を照らすのではなく、 なるべくスポット照射で遠方まで光が届くようにする。
などを考えて、思考錯誤・・・。
明るさは、1150Lux(25cm)、70Lux(1m)でした。

分解しないと何事も始まりません

分解は、頭部を左に回して外します。外れるのはここのみ。
左の画像、左から
頭部の外枠、ロート状の反射鏡、負電極、クリプトン球3.6V0.75A、 電球カバー兼正電極。
右の画像、左上から
@スイッチの押え用樹脂、A押しボタンカバー、B押しボタンカバーの押え。
C左端にスイッチ基板をつなげた負電極と電池マイナス側のスプリング。

スイッチの部分の分解は、上右の画像を参照

最初に内側の@を頭部方向に引き抜き、その下のBの爪を中から押して表から 外すと Aも取れます。 次にCを壊さないように注意して頭部方向へ引き抜きます。

ここまで分解すると、残りは円筒のみです。

材料を考察

左の画像、上から
白色LEDを調達します。10φを一個、5φを8個。抵抗器も9個必要です。
孔あき基板と、スイッチです。
スイッチは4回路3接点の物が手元にあったのでそれを使う事にした。
右の画像、左から
基板を20φに加工します。
元のスイッチ基板があった溝に押えの基板を入れて、 スイッチが後ろに引っ込まないように壁を作ります。
スイッチは表面が斜めになるので、電極を内側に曲げたり、 取付けの部分を片方カットします。
スイッチの表面は、元のカバーを加工して固定します。

白色LEDは、5φの物は片方のリード線を曲げ抵抗を半田します。 抵抗値47Ω、1/6Wを使用。
その後で抵抗を起して元の線と平行にし、いらない部分を切ります。
10φの物の抵抗は基板の裏に付けます。

基板に取付けた白色LED。

中心に10φを、周りに5φの物を8個取付けた。
角の様に見えるメッキ線は、基板を固定する物です。
配線は、+側は共通で一本。−側は中心のみと外側のみで2本です。計3本。 +側は、70mm。−側は、元使っていた負電極は使わないので、 ねじ込み分を考慮して、200mm、位です。

ケースに組みこむ

左の画像
LED基板を反射鏡の中へ差し込み、裏側へ出ているメッキ線を孔から出し 両側へまげて広げ、基板が落ちないようにします。
+側の赤線は、電球カバー兼正電極の樹脂の金属片を外し、その孔から外へ出し 外でその金属片に半田します。その後、金属片を元に戻します。
電池の+側が、直接この金属片に当たります。
−側の2本の線は、電球カバー兼正電極の樹脂でつぶさない様に注意して きり欠きから外へ出します。

元のスイッチ基板を外します。これは差し込んで折り曲げてあるだけです。
スイッチは、足を確認しながら半田します。 コモンを電池の−側へ、端子は、OFF、1、2、となり、 1と2を中心のLEDへ、2のみは外側のLEDへつなぎます。
つまり、OFFは全消灯、1は中心のみ、2は全点灯になります。

右の画像
スイッチを本体の裏側から差し込み、 元のスイッチ基板があった溝に押えの基板を入れて、 スイッチを押したときに後ろに引っ込まないように壁を作ります。
スイッチは表面が斜めになります。スイッチは内側と外側をホットボンド、 もしくはグルースチックと呼ばれる樹脂を、米粒大に切り、 半田鏝で暖めて固定します。
スイッチの表面は、元のカバーを加工して固定し、 スイッチとの隙間も樹脂で埋めます。

頭部の外枠に反射鏡を入れ、これをねじ込んだ時に、リード線が緩む方向に 線を巻きつけて本体にねじ込み完成です。 ねじ込んだ時に巻き取る方向に線をセットすると、運が悪いと切れます。

単一電池3本(4.5V)使用のLED式懐中電灯、出来あがりました。
3個100円のマンガン乾電池で実験です

左:一個点灯、30mA

右:9個全灯、220mA

再考察

上記をテストしたら、光軸が少し曲がっているのに気がついた。 基板を反射鏡にセットするのに、基準がなかったので曲がったようだ。
また、もう少し明るい方が実用的なのと、単一電池ならもう少し流しても良いのではと再考察した。
220mAを300mAくらい流しても良いのではと考えた。

反射鏡の中を覗くと、中間に樹脂型のつなぎ目があるのに気がつき、 直径を計ると40mmだったので、ここに基板をセットすることにした。

これに合わせて基板を丸く切り取り、中心に一個、周りに12個、 白色LEDを配置することにした。

今度は、各LEDに20mAづつ流すように、一個づつ抵抗値を調べ 51Ω〜43Ω、までを使った。
左:外側に抵抗器を配置。中:中心のLEDの抵抗器は裏付け。 右:今度は中心のみが背が高い。

組立とその結果

前述の改造なので、回路の構成が逆です。 反射鏡の中心から線を引っ張り出して基板に半田します。

反射鏡の中の中間の樹脂型のつなぎ目に合わせて基板をセットし、 ホットボンド、もしくはグルースチックと呼ばれる樹脂を、米粒大に切り、 半田鏝で暖めて固定します。今度は光軸も曲がらないでしょう。

左:消灯。 中:一個点灯。25mA 右:全点灯、13個。285mA
一個点灯は少し青みがかっている。全点灯はさすがに明るい。電流もほぼ計算道理。

回路図と消費電流です

スイッチでLED1個点灯と、13個全点灯を切替えます。

下の表は全点灯時の消費電流です。 これを見ると3.7Vあたりに電流の半分の所がありそうです。

白色LEDの光度は、流れる電流に比例せず、 定格電流時(20mA)を1とすると、 半分(10mA)では0.6と半分にはなりません。 また、人間の目の誤動作で光量が半分になってもそれほど暗くなったと 実感できません。
この為、何時が電池の交換時かわからないので、使用には不便です。

稼動時間はどのくらいなのかの計算

さて実際の点灯時間はどのくらいか、計算してみた。

JIS規格とメーカー発表のデータを勘案して計算すると、 規格では終止電圧が0.9Vであるが、実用としては1.2Vとして カーブを読むと、時間は1/4くらいになる。

その結果は、マンガン乾電池で、 25mAで90時間、285mAで6時間 連続点灯出来そうだ。

アルカリ乾電池にすれば大略その倍の時間使えそうだ。
ちなみに、マンガン単一電池は3本で100円。 アルカリ単一電池は3本で300円だった。

おまけ:材料代は3000円以内(懐中電灯+電池+LED+スイッチなど)
明るさは、1150Lux(25cm)、70Lux(1m)でした。