カセットテープへの、音声録音、再生を考察
23.07.03
先日、車載の拡声器用の録音テープの作成を依頼された。
通常は、マイクでしゃべりながら走行するのですが、運転手と助手が必要だったり、一人でしゃべりながら運転すると危ないので、搭載のカセットデッキ用のテープへの録音を依頼された。
音声合成で作成した文章を、テープに録音すれば完成です。録音レベルの問題だけでしょうと、実行しましたが、なかなかうまくいきません。問題が続出しました。経緯の報告です。
カセットデッキの問題
カセットテープの全盛期には、小生も大きなデッキを複数台、所持していた。それらはレベルメーターが搭載されていて、録音レベルを合わせるのに都合がよかった。 しかし、時代の変遷と共に、それらは淘汰され、また、壊れて処分され、カセットテープのみが2~300個手元にある。再生装置は手軽なものになり、まともな音では再生できない。録音もしかり、レベルメーターがない。
画像は、手持ちの機器です。
左:録音、再生、片面。sony製。
右:再生専用、オートリバース。製造社不明。
録音機は、左のsony製を使う意外選択肢はない。しかし、ここで問題が発生、最後まで悩まされました。録音時の自動音量調整回路が断にならないのです。
そのため、入力音声のレベルによって、ポップ音が出るのです。ポップ音とは、
単語の発声初期や、文章の最初に、レベルあわせのために、不快な音が録音されることで、
これが、排除できないので悩みました。
カセットテープの問題
100均一のTDK、10分テープ。 右の昔のカセットには、4隅にビスがある。
録音するカセットテープをどうするかを考え、新しいものを探し、100均一店へ。
ありました、TDKです。片面5分、両面で10分です。しかし、音声時間が1分半ですので、テープを短くしようと見ると、ビスがありません。また、デッキの指定テープは TYPE1 ですが、TDKは TYPE2 でした。
手持ちの古いテープを探し、ビスを外し、片面3分、両面6分に加工します。TYPE1 です。右端。
音声合成と録音の問題
テキストエディターで文章を作り、音声合成フリーソフト、青空ろーどくで音声ファイルを作成します。完成した音声には少し癖がありますが、多くの物売り、お知らせの拡声器音に対して、自治会のお知らせだと判るため、これを選択。 女声、男声を作成。
フリーソフト、Audacity に取り込み、再生ファイルを合成します。 女声、男声を再生リストにいれ、無音5秒を作り、先頭に挿入します。
パソコンの出力にスピーカーをつなぎ、録音機と共に、箱に入れます。
録音ONのあと、箱の蓋を閉め、再生、録音を実行します。テープは昔のtype1を使用。1分15秒後にテープを裏返して録音を実行。完成後、テープを解体し、1分30秒くらいのテープ長さに切って編集する。
再生すると、外部の音や、録音スイッチの音など不要の音が録音されていて、がっかり。
また、音声ファイルの内容を変更して長さが変わると、テープの時間に入らず、カセットテープを作り直す必要が生じる。
自動音量調整回路は断になっているのだが、少し動作しているようで、ポップ音が小さく出る。また、テープが古いらしく、音質がよくない。
などなど、多くの問題が発生し、気勢をそがれます。
。
試行錯誤の結果、完成した方法
試行錯誤を繰り返し随分時間を要した結果、結論が出ました。 自動音量調整回路が効かないレベルの音量を、ケーブルで直接、入力する。 最初はこの方法を採ったのだがポップ音がなくならず、内蔵マイクを使ったのが面倒の始まりでした。内蔵マイクを使うと、自動音量調整回路を断に設定できると仕様書には記載があるが、完全には断に出来ず、回路が動作しています。直接入力で断にする設定があればこんな苦労はなかった。会議などを録音するための機器ですので、音声を全部収録するためにこのような機能があるのでしょうが、使う人に機能の選択が出来ない方法は、行き過ぎではと考えます。親切心の押し付けは困り物です。
音量を5に、再生はループ再生を選択